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GG2000第25回『フィッシャーマンズスープレックス』

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第25回『ジャイアントグラムの技 その4 フィッシャーマンズスープレックス』
最近はあまり使い手がいないが、小林邦明が好きということもあって好きなプロレス技の3本の指に入る技。ブレーンバスターの体勢から相手の左脚を抱え込んで後方へ投げ、ブリッジを効かせてフォールする。頭部や首にダメージを与えるのではなく、背中から叩きつけてガッチリと抑え込む。バスターやリストクラッチ式などアレンジ版も多様ではあるが、やはりオリジナルである小林邦明のフィッシャーマンスープレックスが唯一にして最高だ。
ちなみに、初代タイガーマスクのライバルは、ダイナマイトキッド、ブラックタイガー、小林邦明。あと、ウルトラマンとの一戦も良かったな。同世代にとっては好みが分かれるところだが、私的には断然小林邦明。キッドやブラックタイガーとは違うスタイル、憎まれ役に徹したライバルとしての存在感。タイガーマスクの伝説は彼がいたからこそ、今でも輝いている。

小林のフィッシャーマンズスープレックスにはお約束とも言えるムーブがある。ボディへのソバットをカウンターで決め、その勢いでくるりと回転。前屈みになった相手をさっとロックして一気にフィッシャーマンズスープレックスで投げ、そのままフォールにいく。フィッシャーマンズバスター系が流行り出した頃も、小林邦明はこのムーブからのフィッシャーマンズスープレックスに拘っており、平成維震軍時代にも要所要所でビシッと決めてきた。ちなみに、持ち上げやすいこととガッチリ抑え込めることから、女子レスラーにも使用者が多いらしい。

ジャイアントグラムでは、崩し↑Bで出せる。
小川と志賀が持っており、ジュニアでテクニカルな印象のふたりが持っているところは興味深い。初期ダメージも高めで、レベルを上げればフィニッシャーとしてもいける。派手さこそないが、多用せずに、「ここぞ!」という場面でビシッと一発で決めると実にかっこいい。小林邦明の如く、一発の重みを表現できるような試合運びを心掛けるべき。テクニカルなレスラーや派手さは無くともひとつひとつの技で勝負するクラシカルなレスラーにこそマッチする。
小川は、雪崩式も持っている。雪崩式の中ではダメージは少なめだが、レアな技なので他の育成レスラーとの差別化には良いかもしれない。

システム上、トーキックやトラースキックからダイレクトにフィッシャーマンズスープレックスに入れないのが実に残念。小林ムーブを再現したいのだが、どうしても出来ない。
ちなみに、同じ時期にリリースされた新日本のプロレスゲーム闘魂烈伝4では、カウンターのボディへのソバットからコンボでフィッシャーマンズスープレックスが出せた。尾林邦明は登場していないのだが、エディットレスラー専用の技として使えたのである。これはこれで、プロレス愛を感じるスペックであった。

スープレックス系の技(厳密にはスープレックスと一括りにはできないが)は、日本語の名称が存在するものが多い。
ジャーマンスープレックス →原爆固め
ドラゴンスープレックス →飛龍原爆固め
タイガースープレックス →猛虎原爆固め
ライガースープレックス →獣神原爆固め
ジャパニーズ―シャンスープレックス →日本海式原爆固め
などなど。考案者の愛称というか特徴づけがなされている場合も多いことが分かる。
フィッシャーマンズスープレックスは、『網打ち式原爆固め』という。紹介する雑誌や書籍によっては『投網式』という場合もある。漁師が網を投げる様を名前にしているのだが、勝利を投網で捉えるという、なかなか渋いネーミングセンスだ。

つづく

GG2000第26回『STF』

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第26回『ジャイアントグラムの技 その5 STF』
このゲームには隠しキャラクターとしてサイクロップスというキャラがいる。一応、オリジナルキャラという体でビジュアルもボンテージ風の全身タイツに一つ目のマスクマンで、およそ全日本プロレスのゲームには似つかわしくない異様な風体。セガらしいといえばセガらしいキャラ作りなのだが、元ネタはどう見ても蝶野正洋である。ケンカキックに始まり、多彩な急所攻撃、ダイビングショルダー弾、羽根折固め、テクニカル且つラフ殺法を駆使した試合運びを演出する技を多く装備している。そして、STFである。ダウン攻撃(ハーフボストンクラブからのコンボ)の他、急所攻撃やスライディングレッグシザースからのコンボも持ち合わせており、正に蝶野そのもの。
STFは蝶野がテーズ道場で身に着けたオリジナル技。ステップオーバート―ホールドウィズフェイスロック。原型STFはフェイスロックではなく相手の反対側の腕を取り肘で頬のあたりを押すような技であった。全盛期に蝶野自身が何度か公開している。蝶野のSTFはケンカキックと並んで彼の代名詞といっても良いし、使用者もアレンジ版も多いがやはり『蝶野のSTF』というイメージである。蝶野自身も様々なバリエーションを使い分ける。

このゲームでは、いくつかのバリエーションがあるのだが、サイクロップスが使うのは正調STF。ではバリエーションはというと、
・馬場のジャイアントSTF
・本田のSTF~タモンズシューター
・馳のSTF~裏STF
である。
この他に、オブライトもSTFを使い、オブライトは対キックの返し技裏アキレス腱固めからのコンボでもSTFが出せる。

いずれもダウン技のハーフボストンクラブからのコンボ。
技名表示は同じSTFなのだがサイクロップス版のSTFと決定的に違うのは、身体の向きが逆という点だ。プロレス好きの中では、所謂『全日版STF』と呼ばれるもの。サイクロップス版のステップオーバーは相手の外側に向かって身体を捻る。相手の左脚をロックするなら、自分の右脚を引っ掛けて、相手の身体の左側を向くように極め、右手で相手の顔面を締め上げる。全日版は逆で、左脚をロックするなら自分の左脚を引っ掛けて相手の背中に圧し掛かるようにして左手で相手の顔面を締める。
本田はここから相手の腕を自らの首に引っ掛けるようにしてフェイスロックで締めるタモンズシューターに移行、馳は身体を引っくり返して自分が下になって締め上げる裏STFに移行できる。ちなみにこの裏STFは本家蝶野をギブアップさせたこともある技である。

STFは首と膝に部位ダメージを与える。サイクロップス版のバリエーションも馳や本田版も同様で、フィニッシャーとしても十分通用するし、中盤での痛め技としても機能する。コンボとして出せるものが多い為、まとまったダメージを与える点でも優秀である。当然関節技なので、複数回ダメージを与える点も良い。ロープブレイクできないように足側がロープに向くように位置を調整する。

このゲームの良いところは、全日版とサイクロップス版(いわば蝶野オリジナル版)がちゃんと違う技になっているところ。こういうところにこそ、プロレスゲームの拘りが感じられる。汎用技もいくつかあるのだが、妙なところで唸らせる、そんなゲームなのである。

つづく




GG2000第27回『ムーンサルトプレス』

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第27回『ジャイアントグラムの技 その6 ムーンサルトプレス』
武藤敬司が膝の手術をする。人工関節を入れるそうだ。四天王&三銃士世代では唯一の現役だが、その膝は常人には到底想像の及ばないダメージを負っている。個人的に、やはり一番『熱くさせてくれた』のは四天王&三銃士の時代。この辺は語り出すと止まらないので我慢。

三銃士のひとり武藤を元ネタとするのが隠しレスラーのマスターだ。当然、全日本ベースの世界観。しかもノア分裂騒動で発売すら危ぶまれたこのソフト。そこへ新日本系レスラー(キラー、マングラー、マスター、サイクロップス)が隠しレスラーとはいえ、技もアピールも完全に元ネタそのまんまのムーブを再現して収録されていたことは衝撃だった。まして、その中のひとり武藤が、数年後に全日本に移籍するなんて、誰が予想しただろうか。今にして思うと、当時、(隠しレスラーではあるが)武藤と全日本勢がゲーム中で対戦していたわけで、そういう意味でも感慨深い。
そのマスターのムーブは武藤そのもの。技もマスターしか持っていない技が多く、アピールもオリジナル。育成レスラーにそっくりそのままラーニングさせることも出来、アーケードに持ち出すことで、アーケードオンリーのプレイヤーの度肝を抜くことができた。尚、マスターに限らず隠しレスラーの存在は、セガが意図的にこの『アーケードでのドリキャスユーザーの優越感』演出のためだった気がする。
各種ドラゴンスクリュー、そこからの足4の字固め、鎌固めやキーロックといった関節技や基本技、若かりし頃の必殺技ドラゴンスープレックス、フラッシングエルボーや、スペースローリングエルボーからフェイスクラッシャーといった象徴的且つ定番ムーブの他、マスクを脱ぐと毒霧を吐けたりもする。当時はまだ使用していなかったのでシャイニングウィザードは使えないが、要所要所で使用していたフランケンシュタイナーはマスターのみ追加コマンドで投げ捨てフランケンシュタイナーになったり(というかそもそも投げ捨て式の技なんだけどね)、これもマスターのみの技としてダイビング低空ドロップキックがあったりして、当時の武藤のモーションはほぼ再現されているところがニクイ。

中でも、『いわゆる武藤らしい必殺技』がムーンサルトプレスだ。マスターは通常の対ダウン技のムーンサルトプレスの他に、もうひとつムーンサルトプレスを持っている。シュミット式バックブリーカーからのコンボで出る高速ムーンサルトプレスがそれ。シュミット式バックブリーカー中に追加コマンドを入力すると、相手を叩きつけた後にダッシュでコーナーへ走り間髪入れずにムーンサルトプレスを敢行する。大一番で相手の猛攻を凌ぎ切った後に見せていたムーブ。わざわざこんな技を収録したマニアックなセガに感謝したい。
通常のムーンサルトプレスには、トップロープに上がる前(コマンド入力直後)に自動的にアピールのモーションが付く。これは他のムーンサルトプレスを使うレスラーの一部もそうで、マスターは両手を庇のようにして観客を眺める。これも武藤のアピールの定番ムーブだ。ちなみに、エースは両手を握り締めて吼える、小橋は握り拳で気合を入れるといったアピールが付く。更にちなみに、ムーンサルトプレス自体のダメージはレスラーによって差があり、単発ダメージとしてはベイダーのものが一番高い。

武藤の必殺技は時代時代によって印象が異なる。若手の頃はドラゴンスープレックス、三銃士時代はムーンサルトプレス、対Uインター以降は足4の字固め(+ドラゴンスクリュー)、黒タイツになってからはシャイニングウィザード。だが、個人的にはあのヘビー級の身体で美しいフォームを描くムーンサルトプレスこそ、武藤らしいと思っている。今でこそ使用者が多く、もっと高度で複雑なプレス技は数限りないが、武藤のその一発は説得力が違う。
小橋のムーンサルトは高く落差がある。ベイダーはやや捻りながら浴びせるような破壊力。武藤のそれは、速く高く、そして遠くまで飛ぶ。破壊力の橋本、テクニックの蝶野、そして華麗な武藤。三銃士としての個性も、このムーンサルトプレス一発で全ておいしいところを持っていってしまうような存在感がある。
一方でこの必殺技としてのムーンサルトプレスは、ファンを魅了し続けたと同時に、武藤自身の膝へも深刻なダメージを与えていた。正に身を削るとはこのこと。同じ技を使用する小橋もそうで、長期離脱と手術の原因となっていた。現役時代、武藤は小橋に「あんまり使わない方が良い」と伝えていたらしい。ともに、三銃士と四天王の一角であり、日本を代表する団体を支えるエース格であり、そして、オレンジがトレードマークというふたり。そのふたりが同じフィニッシャーを使用していたのである。その後、ムーンサルトの使用頻度を減らしていくが、小橋はラリアット、武藤はシャイニングウィザードと、それぞれが一撃必殺の『打撃技』へとフィニッシャーを変えていった点でも興味深い。

武藤は膝の手術後はムーンサルトを封印するという。手術前の最後の試合では最後のムーンサルトプレスを出すそうだ。実質、今もリングに「上がり続けている」という意味では、三銃士&四天王の最後の現役。無理はしないで欲しいという思いと、まだまだ頑張って欲しいという期待感が半々。ファンというのは勝手なものだ。すみません。
でも。
同時期に活躍したふたり。
三沢光晴選手。
そして、橋本真也選手。
おふたりが武藤選手の両脚を支えてくれるような気がしてならない。

今日は、三沢・小橋組vsマスター・マングラー組のスペシャルタッグマッチを行うとしよう。

つづく

GG2000第28回『ドラゴンスクリュー』

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第28回『ジャイアントグラムの技 その7 ドラゴンスクリュー』
向かい合った状態で相手の足をとり、股の間に転がるように回転して相手を投げる技。今でこそ使い手も少なくないが、もともとはその名の通りマッチョドラゴン藤波の技である。藤波自身はジュニア時代からレスリング技術のひとつとして、相手のキックに対し蹴り足をキャッチし仕掛けており必殺技というほどではなかった。対Uインター抗争の際に、高田とのトップ対決で武藤敬司が高田のキックへの対抗策として使用したことがキッカケとなり、その後使用者も増えポピュラーな技へとなったのである。武藤のドラゴンスクリューから足4の字固めという流れは、技だけ見ればオーソドックスで地味だ。だが、魅せ方の上手い武藤が使うこと、高田のキック(+足殺し)への対抗策として有効だったこと、そしてUインターのトップに対してプロレス技での勝利、という3つの理由から、当時は説得力十分な技としてファンに認知された。武藤自身その後も、定番必殺フルコースとして使用、絶大な威力を誇るようになる。

このゲームでは、武藤を元ネタとする隠しレスラーマスターはドラゴンスクリューを複数持っており、いずれも追加コマンドを入力することで足4の字固めへ繋がる。膝への部位ダメージも大きく、正に武藤の必殺技を再現しているといえる。デフォルトのレスラーは、本来のドラゴンスクリュー同様、対キックの返し技としてしか持っていないため、積極的に使用するならマスターからラーニングしていくと良い。但し、「ドラゴンスクリューはあくまで返し技の一撃」「自分から相手の足をとりにいくのはちょっとねぇ」というプロレスファンもいるのは事実。使いどころと拘りどころは見極めたい。
尚、対キックのドラゴンスクリューをラーニングすると自動的にリバースドラゴンスクリューもラーニング可能。これは三沢のスピンキックに対するもので、通常とは逆に回転するドラゴンスクリューである。

マスターのドラゴンスクリューは下記の通り。
・対キックのドラゴンスクリュー
・雪崩式ドラゴンスクリュー
・崩し←Xのドラゴンスクリュー
いずれも足4の字固めへ繋がる。
マスターは低空ドロップキック(ダイビング式含む)や鎌固め、スライディングレッグシザース等、膝へダメージを与えるプロレス技を多く持つ。一点集中攻撃型の育成レスラーにはもってこい。これらと膝十字や逆エビ固めを組み合わせて試合を組み立てると、あっというまに膝を破壊してしまう。

新崎人生が元ネタの金剛は、ドラゴンスクリューの変形版と言っても良い曼荼羅捻りという技を使う。ドラゴンスクリューは相手の足を抱えるようにして回転するが、曼荼羅捻りは足首から先を両手で持ち捻るようにして外側に回転する。崩し技、雪崩式、対キック、対雪崩式の4種類を持っており、更にハーフボストンクラブからの派生でグランド曼荼羅捻りという技もある。

ちなみに。
このゲームでは一部の技(側面技等)を除き、左右どちらかの足を狙ってサブミッションをかけることが出来ない。例えば、ハーフボストンクラブは右足の場合もあれば左足の場合もある。ドラゴンスクリューも同様で、左右どちらの足をとるかの選択はできない。

ジャイアントグラムではドラゴンスクリューのモーション自体は共通なのだが(体勢ごとにカメラアングルは異なる)、新日本のプロレスゲームである闘魂烈伝4では、藤波版と武藤版でドラゴンスクリューのモーションが異なる。藤波版は相手の足をとった後相手との距離がやや開いたまま回転、武藤版は潜り込むように回転する。さすが闘魂烈伝、これはこれで渋い作りである。

98年のG1クライマックスは両国国技館に見に行った。このG1は16選手参加のトーナメント。初日の1回戦8試合を生で見た。最終的には、それまで優勝候補に挙げられていたにも関わらずG1から見放されていた橋本が、遂に初のG1優勝を果たした記念すべき大会となった。この1回戦で藤波は山崎一夫と激突。スタイルこそ違えど試合巧者同士の顔合わせに両国は沸き立っていた。正直、今のような若い人や女性ファンが多い時代でもなく、nwo人気こそあったものの、会場全体が男っぽいというか骨っぽい空気が漂っていた。藤波vs山崎は山崎の勝利(最終的に準優勝している)。この時、サブミッションとキックを得意とする山崎に対し、藤波はドラゴンスクリューで対抗。この時、通常のドラゴンスクリューの他に、縦回転式を使用した。全く予想外の動きに、山崎は上手く受身をとれず、変な角度で不完全な回転でダウン。老獪なテクニックでじわじわ攻める藤波の膝固めに苦しめられることとなる。が、最終的には山崎が勝利、その後、健介、蝶野を破り、橋本との決勝へコマを進めたのである。ちなみに、このG1、山崎の対戦相手の藤波、健介、蝶野はいずれも過去のG1の優勝者であり、彼らを破った上で臨んだ決勝の橋本との激闘は、橋本の宿願達成と共に、山崎の強さと上手さを大いに見せ付けた屈指の名勝負。山崎自身もドラゴンスクリューを使用するがあくまでキックの対抗策のひとつのイメージが強く、ここから膝十字やアキレス腱に繋ぐことが多かった。

最近のG1はリーグ戦で、且つ20名ほどが参加、地方大会でも公式戦があり日程自体が長い。正直、エントリーされるのが不思議な選手もいる。G1はやはりもっと選手を絞って、且つ、一発勝負のトーナメントが良いと思うのは私だけではあるまい。G1自体は何度か見に行っているが、前述の98年のG1は実に良かった。1回戦最終戦(メイン)の武藤vs天龍の決着がかなりグレーで、観客が暴動寸前になったのだけは残念だったが、今にして思えば、そういう観客のパワーやエネルギーも感じられるのがG1だった気がする。

全日本ではチャンピオンカーニバルが、最強を決める戦いとして有名。こちらはG1よりもずっと歴史が古く、第1回は1973年開催。その後、スタイル【名称も違う年がある)を変えつつも受け継がれている由緒正しき大会。本隊中心のG1(最近は外国人も多いが昔はルードやノートンら強豪の一部しかエントリーされなかった)に対して、チャンカーは「世界の強いレスラーと闘いたい」というコンセプトから主戦場とする外国人レスラーや著名レスラー、大御所ベテラン外国人レスラーらが全参加選手の半分以上を占めていた開催年もある。90年代後半、四天王時代全盛期になると顔触れもほぼ上位陣に絞られ、各大会は激闘に次ぐ激闘、垂直落下式や雪崩式のオンパレードとなる。
尚、G1に全日本所属選手が参加したり、チャンカーに新日本の選手が参戦したこともある。基本トーナメントを開催しないノアからそれぞれの大会に参加したりと、各団体の1大イベントとしての意味合いもあって、ファンとしては意外な組合せが見られるのも楽しみのひとつ。

つづく

GG2000『エースクラッシャー』

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第29回『ジャイアントグラムの技 その8 エースクラッシャー』
ジョニーエースのオリジナル技にして必殺技のひとつ。ジョニーエースは首を攻める技が非常に多く、尚且つ受身のとり難い技を多用する。当時のプロレス雑誌で三沢だったか川田だったかが、「あいつの技は受身がとれない」と語っていた。
エースクラッシャーの他に、コブラクラッチスープレックス、ジョニースパイクが四天王に対抗していた頃の必殺ムーブだった。エースはウィリアムスを組んでいた時はドクターボム、小橋と抗争後にGETで共闘するタイミングではムーンサルトプレスを使用。パートナーやライバルに触発されやすいのかもしれない(想像)。
タッグでもGETでは小橋のパワーボム+エースクラッシャーの合体や、バートンとのタッグであるムーブメントでは、ムーブメントクラッシュやムーブメントドロップという合体技を使用しており、パートナーは変わってもタッグでの強さも印象深い。

エースクラッシャーは、後のカッター系とスタナー系の元祖と言われる。元々はスタンガンをベースにエースが開発、スタナーに近い落とし方だった。その後フォームを改良して、前へスライドするようにジャンプして首へダメージを与えるようになる。このゲームでは改良型フォームである。カッターにしろスタナーにしろ相手の頭部を両腕でロックするパターンが多いが、エースの場合は片手で頭部を肩に担ぐようにロックし、もう片方の腕は頭上に上げて決める。ゲーム内でもこのフォームが再現されている。

オリジナル技でありつつ、バリエーションも多彩で、ジャイグラでもほぼ全てが網羅されている。フォームは異なるが単純にひとつの技のバリエーションとしては最も種類が多い。
・エースクラッシャー(単発投げ)
正面から相手の首をとって決めるノーマル版。首ダメージが大きい
・メキシカンエースクラッシャー(ハンマースロー技)
ロープに振って戻ってきた相手をリフトアップしつつ、走ってきた勢いを利用して上空に投げ上げる。その相手の首をキャッチしてそのままエースクラッシャーを決める。エースクラッシャーのレベルを上げると習得する
・ギロチンエースクラッシャー(崩し技)
前屈みの相手の首に足を引っ掛け片腕を掴み、ジャンプしながら顔面を叩きつける。エースクラッシャーというよりもフェイマサーに近い
・ネックブリーカー式エースクラッシャー(崩し技)
相手の首を掴んで身体を反転、背中合わせになりつつ尻餅をついて決める。スイング式ネックブリーカーとショルダーネックブリーカーの中間くらいの感じ
・ランニング式エースクラッシャー(ダッシュ投げ)
ダッシュして相手の首を両腕でキャッチ、その勢いのまま捻るように旋回しつつエースクラッシャーを決める。ラーニングするにはコツが必要
・スタンガンエースクラッシャー(対エプロン技)
自分がエプロン側の時に相手のロープ越しブレーンバスターなどを返す技。相手の頭部をトップロープ越しに抱え自分はエプロンから場外へジャンプし飛び降りる。その勢いで相手の首(というか喉)をトップーロープに打ち付ける。実際の試合では要所要所で使用していたが、このゲームでは返し技としてのみ使用可能
・キャッチングエースクラッシャー(対ダイビング技)
トップロープからダイビング技を仕掛けてきた相手の首を空中でキャッチしてそのままエースクラッシャーを決める。ラーニングは簡単だが、自分で出そうと思うとなかなか出ない
・断崖式エースクラッシャー(エプロン技)
エプロンから場外に向けてエースクラッシャーを敢行。首ダメージが大きい
・雪崩式エースクラッシャー(コーナー前投げ)
相手をコーナートップに座らせておいてエースクラッシャーを決める

エースのバーニング技は『ファイナルエースクラッシャー』という。
エースクラッシャー→ギロチンエースクラッシャー→メキシカンエースクラッシャーを連続で決める。ギロチンエースクラッシャーとメキシカンエースクラッシャーの合成で作れるが、メキシカンが進化習得技なので若干手間と時間が必要。首ダメージが非常に大きく、他の技と組み合わせると大ダメージ。
なのだが、メキシカン後にアピールが入っているのとニアロープなため、十分にダメージを与えてからでないと相手が復帰してしまうことがある。

エースは打撃も投げも首への一点集中技が豊富なわりに、ギブアップをとれる技が無い。基本的に首ダメージを100%にしてフォール、という試合運び。エース中心に育成レスラーに技をラーニングする際には、首ダメージを100%にしてからギブアップをとれる技もいくつかラーニングしておくと良い。

全日本プロレスを地上波でやってた頃は、毎週欠かさず見ていた。
エースが印象的なのは、タッグでもシングルでも、徹底的に三沢の首を狙っていた点。彼の技は三沢を苦しめるために開発されているのではないかと思ったこともあるほど。メキシカンエースクラッシャーを三沢に決めた時は、見ててヒヤッとするくらい危険な角度。タッグで三沢からピンフォールを奪ったジョニースパイクなんか、三沢の首が『グニッ』と曲がっていた。パワータイプのレスラーではないが、投げ技が多彩でオリジナルムーブも豊富。ピースサインや両手を挙げての「イエーイ」みたいなアピール、拳を握って吼えるなど、ニックネームの『暴走狼』と相俟って、技以外でも独特の存在感を示していた。特に、バートンとのタッグ(ムーブメント)では、当時の全日本のタッグ戦線を引っ掻き回して、名タッグ揃いの全日本(アンタッチャブル、バーニング、ノーフィアー、TOPなど)にも名を残している。

好きな外国人レスラーのひとりだが、このジャイアントグラム2000とエースには妙な因縁を感じる。というのも、ソフト発売直後に引退しているから。このソフトの発売直前に、三沢ら所属選手の殆どが離脱、ノア旗揚げに動く。これだけでも、当時、「発売中止になるのでは?」とファンを心配させたが、どうにか無事に発売された。エース自身は、全日本のマットに尊敬と愛着と感謝の気持ちを持っていたようだが、三沢らが抜けたことをキッカケ(タイミング的にそうだっただけかもしれないが)に引退。アメリカマットでブッカー業に転身する。
ある意味、いつまでも現役であり続けるエースの姿が見られる貴重なゲームでもあるのだ。

つづく








GG2000第30回『バーニングハンマー』

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第30回『ジャイアントグラムの技 その9 バーニングハンマー』
言わずと知れた小橋建太の必殺技。
相手をコーナートップに場外に向くように乗せ、そこからアルゼンチンバックブリーカーの体勢で担ぐ。そのままリング中央に移動して、相手を頭側から垂直落下式に落とす。三沢や秋山ら相手を選ぶ危険技であり、使用頻度こそ少なかったが、四天王時代を象徴する『頭から真っ直ぐ落とす』技の代表格といってもいい。その場で担ぎ上げるタイプやリストクラッチ式等いくつかバリエーションが存在する。
このゲームではコーナーで雪崩式と同じステップでのも出せる。初期ダメージはトップクラスの100。単発の投げ技としては最も高い数値で、ダメージ100は他にハンセンのハンマースローからのウェスタンラリアットと、馬場の32文ロケット砲しかない。バーニング技のダメージは基本90固定なので、バーニングハンマー1発でバーニング技以上のダメージを与えるということになる。首ダメージも高い。バーニングハンマー自体はレベルを上げて、稲妻、炎、分銅の各マークを付けることでこれ以上のダメージに育てることも可能。正に最強の必殺技といっても言い過ぎではない。但し、コーナー前での入力が必要なのと、リバーサルポイントが分かりやすい為、比較的返されやすいのがネック。
ちなみに、トータルダメージ量でいくと、ビルドアップドライバーからのコンボが最も高い。ビルドアップドライバー→サンダーファイヤパワーボム→ネックハンギングドライバーという3連発で、初期ダメージはトータル110。

バーニングハンマーは、アルゼンチンバックブリーカーとオレンジクラッシュの合成で作る。アルゼンチンバックブリーカーは小橋本人は持っておらず、ブロディ・ジョナサン・ディアブロのいずれかからラーニングする。オレンジクラッシュは小橋のブレーンバスターからの派生。まずブレーンバスターをラーニングする必要があり、ブレーンバスターからの派生を持たないレスラーからラーニングする方が早い(大森推奨)。
また、このバーニングハンマーと居合い抜きラリアットを合成することで小橋のバーニング技『渾身の爆裂青春バーニングラリアット』が作れる。合成に使用した技は消えてしまうので、更にバーニングハンマーを装備したければ、もう1度合成しなければならない。このバーニングハンマーという技は、ジャイアントグラム2000から名前が付いた技であり、前作では『アルゼンチンドライバー』という名前だった。当時のプロレス雑誌でも名前が決まるまでは、『リバースデスバレーボム』とか『アルゼンチンバックブリーカーからの垂直落下式リバースブレーンバスター』とか、名前が一定ではなかった。

小橋といえば、打撃なら各種チョップ、ハーフネルソンやスリーパースープレックス、パワーボム(+パワージャック)やオレンジクラッシュ、ケンタッキーボムといった投げ技、テキサスクローバーホールドやローリングクレイドルのような絞め技、フィニッシャーにはラリアットやムーンサルト、後期にはブラッククラッシュやバーニングソードと、真っ向勝負の試合スタイルの割りに、実は意外と多彩。勿論、時代によって使用の頻度も異なるが、新技開発に余念がなかったらしい。余談だが、ケンタッキーボムという名前は本人は嫌いだったようだが、このゲームにはその名前で収録されている。
開発したもののあまり使用していない技もあり、その筆頭がダイヤモンドヘッド。カナディアンバックブリーカーのように担ぎ上げてから、身体を相手を担いだ方へ捻りつつ高角度のサイドバスターのような体勢で落とす。初公開時に金丸を失神させて以来、使用しなかった技である。この試合はテレビ中継で見たが、まだ技が安定していなかった上に、金丸も受身の方向や落とされるタイミングが分からなかったようで、側頭部から非常に危険且つ不安定な角度で叩きつけられていた。このダイヤモンドヘッドはジャイアントグラム2000には収録されていないが(時間軸ではもっとずっと後の技なので)、PS2ソフトオールスタープロレス3には収録されていた。モーションはちょっと微妙だったが、フィニッシャーらしいダイナミックさは再現されている。

つづく

GG2000第31回『ビルドアップシリーズ』

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第31回『ジャイアントグラムの技 その10 ビルドアップシリーズ』
ビルドアップバスター、ビルドアップドライバー、ビルドアップドッキングの3種類があり、実際のリングではまず不可能な技である。ファンを納得させるプロレスゲームとしての現実世界の再現と、格闘ゲームとしての非現実世界における爽快感や豪快さを、VFのセガが両立させて作るとこうなる。単純にレスラーをリアルなポリゴンで作り、忠実に技を再現するというだけでなく、ゲーム本来の面白さも表現しているのがジャイアントグラムの良さ。この3つの技も、バカバカしくもニヤリとさせてくれる。そんな技である。

3つとも、某超有名少年漫画に登場する技である。男子諸氏なら、技名は元より、そのビジュアルを一見すれば誰でも分かるだろう。

ビルドアップバスターは、相手をブレーンバスターのように逆さまに肩の上に抱え上げ、両手で相手の両脚を掴み、股裂きの体勢でとらえる。そのまま上空高くにジャンプし、着地の衝撃でダメージを与える。首、腰、両膝に部位ダメージを与える。複数の部位に同時にダメージを与える技はいくつかあるが、4箇所は最多。このゲームでは3箇所の部位ダメージがそれぞれ100%になるとレフリーストップになってしまうので、ビルドアップバスター1発でレフリーストップになる可能性もある。
ビルドアップバスターは育成専用で、ラーニングは不可。旋回式垂直落下ブレーンバスター(タイガー、ハイパー)と、スプラッシュマウンテン(パワーボムの進化習得技)の合成でのみ作ることが可能。
レバー1回転+投げボタンというコマンドで、通常のコントローラーでは十字キーのみ対応の為、安定して出すには操作に慣れと練習が必要。

ビルドアップドライバーは、相手の両脚を掬い上げるようにして上下逆さまにし、そのまま上空へジャンプ。相手の両脇を両脚で踏みつけ、両足首を掴み、そのまま落下。脳天から叩きつける。部位ダメージは首のみだが、初期状態でもトップクラスのダメージを与える。
こちらも育成専用技で、投げ捨てジャイアントスイング(ジャイアントスイングの進化習得技)とパイルドライバーの合成で作る。
レバー1回転+投げボタンと掴みボタン同時押しで、これも要練習。ドリキャスのコントローラーはボタン2個同時押しが非常にやり難い上に、このゲーム自体コマンド入力がかなりシビア。失敗するとビルドアップバスターに化けやすい。
ドライバーはここからのコンボがラーニング可能(タイガー、ハイパー)。ドライバー後に相手を引き摺り起こしてサンダーファイヤーパワーボムで叩きつけ、更に強引に立たせてネックハンギングドライバー。そのままフォールにいく。トータルダメージは初期状態でも110と最強。全て首ダメージを与え、バーニング技以上の威力を誇る。レベルを上げて各種マークを付けると、ノーマル状態の体力ゲージ2本近くを持っていくことも可能。入力タイミングはシビアで要練習だが、決まった時の爽快感とダメージは凄まじい。一発のカタルシスを求める向きには最適。但し、リバーサルポイントが分かりやすいのと、リング内を移動するのでネックハンギングドライバー終了時にニアロープになりやすい点に注意。

ビルドアップドッキングはタッグ専用の技。ラーニングは必要がなく、育成レスラーのレベルを上げていけば習得。タッグマッチ時の技設定で変更しておけばOK。ビルドアップバスター&ドライバーを同時にしかけ、空中で上下に合体しながら落下する。完全にネタ技(とはいえダメージ量はハンパない)だが、パートナーは誰でも良い。タッグマッチでは相手パートナーのカットがある為、如何に相手パートナーを場外に追いやるかが勝利の肝。ビルドアップドッキングは試合権利がある相手にダメージを与えつつ、パートナーへのダメージも大きく、決まれば場外でダウン状態に出来る。その間にフォールをしてしまえば良い。

ちなみに、ビルドアップバスターとドライバーを合成することで、育成専用技でありソフトの名前を冠したオリジナル技『ジャイアントグラム』を作れる。こちらは背後でレバー1回転+投げボタン。相手をチキンウィングのように捕らえ上空にジャンプ、後方回転しながら落下し相手をプレスする。更に、ジャイアントグラムと長滞空ブレーンバスター(小橋、バートン)の合成でバーニング技『ジャイアントグラム2.0』を作れる。こちらはジャイアントグラムを2連発で放ち、2発目の空中のタメモーションがカッコイイ。

これらの技は、あくまでゲームだからこその技である。現実的ではないのだが、そこはVFのセガ。遊び心と割り切って楽しむのが◎。育成専用技なので、嫌なら装備しなければ良いだけの話である。育成レスラーを複数作れる環境なら、こういった非現実的な技や育成専用技を具えたレスラーも1体作ってみると、よりこのゲームの面白さが堪能できるだろう。
育成専用技には合成で作るものと、特定の技のレベルを上げることで習得できる進化習得技がある。どちらも相応の手間はかかるのだが、どれもダメージが高めで見た目もカッコイイ。育成レスラーの特徴づけとしても検討すべきである。

ビルドアップバスターは、同様の技をいくつかのゲームでも見かける。プロレスゲームだと結構収録されていることが多く、恐らくは大人の事情により名前がオリジナル化だれている場合が殆どである。例を挙げると、DOAのバースは崖っぷち技(階層がある特定のステージでのみ発動する技)があり、相手を上空に打ち上げておいて空中でキャッチし叩きつける。グラフィックやモーションはオリジナルに近く、発動できる状況が限られるだけにインパクトも抜群。また、三国無双に登場する呉のパワーファイター武将である黄蓋は、無双乱舞技として使用する。
鉄拳のキングや龍虎の拳のテムジン、ストリートファイターシリーズのスカロマニアなども使用するがネーミングは独自のものとなっている。
ドッキングは鉄拳シリーズのどれだっか忘れたが、エンディングムービーで近いものが見られた。が、完全にオリジナルを再現しているのは、恐らくこのソフトのみなのではないだろうか。

バスターは、現実のプロレスでも使用するレスラーがいる。勿論、相手を担いだまま上空高く、というわけにはいかない。フォームは同じでも、全く効果の違う技となっている場合が多い。ノアのモハメドヨネは原作者(敢えて伏せますが)の許可を得ており、そのものの名前で使用しているが、その場で尻餅をつくように落とす。相手へのダメージも大きいが自分への負荷も大きいため、尻餅後すぐに後方へ倒れる場合が多いようだ。
そもそものフォームはメキシコのレスラー・マテマティコのマテマティカが原型と言われるが、こちらは投げではなく相手を抱え上げておいて相手の足首を掴み絞り上げる複合関節技。今で言うジャベのはしりであり、逆さに持ち上げることで呼吸を困難にさせ、更に首から腰にかけて痛めつける。
冬木弘道はメキシコ遠征からこの技を持ち帰り、独自にアレンジを加えて投げ技とした。但し、アスバンプで衝撃を与えると自分の腰や背中にも負担が掛かるため、後ろにスライドするように投げる型になっている。フォームとしてはブレーンバスターやフィッシャーマンズスープレックスの変形版のようだが、完全に首と肩がロックされており受身がとれない上に、両脚を固定されており、首への衝撃が凄かったらしい。冬木自身、封印していたこともある。

ゲーム上の技を実際のリングに持ち込むレスラーも多い。ゲーム好きのレスラーに多い傾向で、最近はとんと出さないがケニーオメガの波動拳(勿論、気の弾なんぞ出るわけがなく、両手で放つ掌底)とか好きだったなぁ。

つづく



GG2000第32回『

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第32回『ジャイアントグラムの技 その11 ブルドッギングヘッドロック』
最近では使い手があまりいないが昭和の香りのする技である。
ヘッドロックに捕らえたまま前方へ走りジャンプ。足を前に伸ばしてアスバンプしつつ、相手の顔面を叩きつける。頭部を抱えたままなので首への衝撃も与える技である。ヘッドロックという基本技からのバリエーションということもあり、フィニッシャーというよりは序盤から中盤への繋ぎ技という印象が強い。この技から試合が動き出すということも当時は結構あったと記憶している。派手ではないが、ダイナミックでいかにもプロレスらしい技である。

このゲームでは、大森、本田、ブラジルが持っており、ヘッドロックからのコンボ(投げボタン連打)で3人共通、ブラジルは串刺しココバットからの追加入力でも出せる。首へのダメージがあり、実際のプロレス同様、序盤から中盤にかけての部位ダメージ起動技としても良い。流れ的にもヘッドロックからの派生ということで、プロレスらしい試合の流れを組み立てる上では重要といえる。
ただ、ヘッドロック版をラーニングするのはやや大変で、根気が要る。ヘッドロックは意外とCPUの使用頻度が低い技で、意図的にかけられる(=相手に出させる)には工夫が必要。育成レスラーは初期装備技にヘッドロックがあるので、あとはCPUにヘッドロックを如何に出させるか、である。ヘッドロックをかけてきても出さない場合があるが、中盤以降なら出す確率が上がる。但し、本田はもうひとつのコンボであるヘッドバットに移行する場合が多く(肌感覚)、大森かブラジルの方が出しやすい印象である。
ヘッドロックを出させる確率を上げるには、下記3種が有効。
1)アームブリーカーを連続してかけて返される
 返された直後に掴まれると高確率でレバー入力無しの技にくることが多い
2)ヒットするギリギリの間合いで単発の打撃(エルボーかチョップ系)を出し、掴まれる
 これも掴んだ後レバー入力無しの技にくることが多い
3)相手の起き上がりに投げを入力する
 これは3すくみを利用した方法。投げに対して有利な掴みをCPUに出させる
注意する点としては2点。
ヘッドロックはかかった直後にポジションが移動するので、せっかくかかってもロープ近くだとブレイクになってしまう。位置調整を考えておくこと。
もうひとつは、リバーサルポイントでうっかり返してしまわないこと。ゲームに慣れてくるとリバーサルポイントで無意識にボタン入力してしまうことがあるので注意。
ブラジルの串刺し版の方は簡単で、コーナーを背にして掴み引きを繰り返し対角線ハンマースローを出させれば良い。

尚、ヘッドロック自体はリバーサルポイントで返せるほか、ボタン連打でもリバーサルが可能。バックドロップ(ダメージは微量)で返すが、このバックドロップ自体もまた返し技の対象になるので、返し技の上手い相手には注意が必要である。
また、なぜかグレイスだけは同じヘッドロック返しのモーションで「バックドロップ」として個別の返し技を所有。これもラーニングが可能。ラーニングマニアの方はお忘れなく。

昭和の香りと書いたが、当時は使用する日本人レスラーが数名いたが、やはり谷津義章のものが今でも最高だと思っている。最も輝いていた維新軍の頃の谷津自身はエースという雰囲気はなく、無精ひげに振り乱した長髪、変な長さのタイツと、どちらかといえばむさ苦しくダーティーな雰囲気のレスラー。維新軍の先鋒格としての印象が強い。だが、実際はアマレスの輝かしい実績を多く持つ。オリンピック初参加で8位、次の大会でも期待されたもののオリンピック自体に参加しなかったが故に、参加していたら金メダル確実とも言われていた。そのレスリングをベースとするナチュラルなパワーと、組んだら強いという技巧的な面を持つ。ブルドッギングヘッドロック、パワースラム(スクープサーモン)、各種スープレックスで相手を切ってとり、監獄固めでギブアップを奪う安定感は渋さすら感じさせた。SWSやSPWFの失敗、総合での微妙な立ち位置、WJや長州との確執など、取り巻く環境はもやっとしていたが、黄金期世代にとっては馴染みの深いレスラーのひとりであった。谷津のブルドッギングヘッドロックはジャンプする時に「オリャー!」と変な声を上げるのが定番だった。アマレスの実績としては本田多聞も素晴らしいものがあるが、両者共に膝下のタイツ、長髪を振り乱すスタイル、よく声を上げる、やや泥臭くもレスリングベースの実力をさらりと見せる、分かる人には分かるセンス溢れる試合運び、タッグでのパートナーを引き立てるテクニックと、共通する部分も多い気がする。

つづく

GG2000第33回『無間』

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第33回『ジャイアントグラムの技 その12 無間』
隠しレスラーの尾神金剛の技。当然、元ネタの新崎人生の技である。
向かい合った体勢から相手の両肘の辺りを掴み、鳩尾に頭を当ててそのまま持ち上げてブリッジ。後方に叩きつけつつフォールにいく。かんぬきスープレックスとノーザンライトスープレックスのフォームを足して2で割り、更にボディヘッドバットの打撃効果も加えたような技。人生のオリジナルホールドのひとつで、対三沢のシングル戦用に開発された。相手を叩きつけた際にヘッドバットのダメージも加わり、当時のインタビューで「あれはきついね」みたいなことを三沢自身が語っていた記憶がある。
金剛(=人生)はオリジナルホールドをたくさん持っているが、既存の技であっても合掌してから放ったり、フォームをアレンジして出すものが多い。無間は全くのオリジナルのフォームで出す技で、そのネーミング(八大地獄のひとつ)と技の効果(自分の頭と相手の腹の間に隙間が出来ない)の妙もあって、実に『らしさ』を感じさせる良い技である。他に使い手がいないのも、人生のオリジナルホールドとしての魅力であろう。

無間は掴み抑え(↓X)の『ボディへのヘッドバット』からの追加入力で出るコンボ技。この技自体も金剛しか持っていないので、金剛からラーニングするしかない。CPUがやや出し難いが中盤(の後半あたり)から出すようになる。ボディへのヘッドバット~無間の初期ダメージは合計55。まぁまぁの威力で、レベルを上げて分銅マークを付ければ十分にフィニッシャーとなるだろう。部位ダメージはない。

人生というと念仏パワーボムや高野落としをはじめとする投げ技や、拝み渡りや曼荼羅捻りのような独自のムーブ、更に合掌してから放つダイビング技の数々等、キャラクターとしては寡黙で実直ながら、ある意味相反する派手な動きが多い。それらに比べると無間は地味な印象ではある。が、だからこそ三沢とのシングル戦という当時の全日本では最高の大一番のために用意したのだろう。この一戦に臨む人生の気概を感じさせる。

人生の技で好きなのは、極楽固めだ。相手の両腕を顎の辺りでクロスして両手首をとり、キャメルクラッチに固める。相手の背中に跨る状態が通常だが、たまに膝を背中に押しつけて、より強烈に絞り上げることもあった。このゲームでも様々な体勢から極楽固めが出せる。人生のオリジナルホールドではあるが、ジュニア系の育成レスラーにもマッチする。

人生の試合は生で何度か見たことがある。当時はルードであるデルフィン軍のメンバーだったが、八十八番札所巡りと称し、ゴールをサスケとのシングルマッチと据えていた。その八十八番目、94年の大田区体育館。サスケvs人生。遂に迎えた最終戦。これは、数々の団体の様々な試合を生で見てきたが、今でも記憶に残る好勝負だった。3本の指に入る屈指の名勝負。当時はまだまだ無名だった人生がサスケから勝利を捥ぎ取った一戦。なんといっても、人生が合掌しながら物凄いスピードで放った念仏ケブラーダのインパクトは凄まじかった。今でこそ、超人的な動きの飛び技は珍しくもないが、ジュニアながらヘビーに匹敵する体格の人生のあのケブラーダは鮮烈のひとこと。飛び技は両手でバランスをとりながら空中姿勢をコントロールするのが一般的だが、そもそも合掌して両手を使わない。これだけでも凄いのだ。大田区体育館という広くはない会場で、リングと観客が近いあの環境での一発。あれで人生のファンになったと言っても良い。このゲームでは念仏ケブラーダはないのだが、みちのくスペシャルという名前で、助走から回転しながら場外へ『ぶっ飛んでいく』技がある。

つづく

GG2000第34回『ドラゴンスープレックス』

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第34回『ジャイアントグラムの技 その13 ドラゴンスープレックス』
いまや使い手は数え切れないほどいるが、ドラゴン藤波辰爾の必殺技である。当の藤波は腰を痛めてから使用していないが、ジュニア時代にはあまりに危険なため一時期封印していたこともある。相手をフルネルソンに捕らえそのまま後方にブリッジしピンフォールを奪う。当然相手は受身がとれず、後頭部を打ち付けられる。初期のドラゴンスープレックスはピンフォールではなくギブアップ(もしくはレフリーストップ)を狙う技であり、ガッチリ固めた首から頚椎にかけて自分の体重が乗った状態で絞り上げられるため、非常に危険な技として扱われていた。

使い手は多いのだが、実際、今は投げっぱなし式や繋ぎに使うレスラーが多く、一撃必殺のフィニッシャーとして使用している選手は少ない。使用頻度は減ったが、新日本ジュニア時代の大谷晋二郎のドラゴンスープレックスは藤波を彷彿とさせた。ライガー、金本、高岩、サムライ、マレンコ、カシン、ペガサス、ブラックタイガー、或いはみちのくやインディーズらとの激闘の中で必殺技としての説得力があった。スワンダイブ弾から相手をさっとフルネルソンにとらえ、無駄なモーションなしでさっと後方に投げる。柔らかくしなやかな爪先立ちのブリッジでピンフォールを奪う。感情を前面に押し出した試合が多い大谷だが、このドラゴンスープレックスは実に流麗で美しく、荒々しい試合を最後の最後で『すっ』と締める効果もあった気がする。越中もドラゴンスープレックスの使い手だ。越中の場合は、フルネルソンで捕らえてから一瞬タメを作り、ぐーんと上に伸びるように持ち上げてから割と急角度で投げる。越中のブリッジはしなやかさというよりは、『堅牢』な印象でガッチリと相手をフォールするのが特徴。大谷も越中ヘビー転向後は投げっ放しも使用しているが、やはりドラゴンスープレックスはホールドにこそ魅力がある。何年か前に大谷は体重を落としジュニアに復帰した。あの頃の美しいドラゴンスープレックスをまた見せて欲しい。
個人的には、ケニーオメガは嫌いじゃないのだが、ドラゴンスープレックスを高速且つ低空で投げっ放すあのムーブだけはいただけない。クラッチもしていないし、相手を危険な角度で投げる割りに受身もとらせない。ある意味無責任な技だ。あの技なしでも十分に強いし、魅力的なレスラーなだけに残念。

よく、ドラゴンスープレックスとフルネルソンスープレックスの違いが議論になる。これは簡単な話で、藤波が活躍していた当時は全日本では新日本の匂いのする技はタブーとされていた(逆もまたしかり)。なので同様の技を全日本マットで使用する場合はフルネルソンスープレックス(もしくは選手のオリジナルの名前)と呼称されたのである。当然、現在は交流も盛んであり、どっちでもよくなっているというのが実情。実際、実況アナウンサーが使用する技名としても統一されていないし、定義もかなり曖昧となっている。

このゲームでは、ドラゴンスープレックスは背後↓投げで川田、大森、馳、マスター、エッジの5人が持っている。終盤でよく出してくるのでラーニングは難しくない。肌感覚ではマスターが使用頻度がやや高いように感じる。ボタン長押しでそのままホールドするので、フィニッシャーに。乱発せずに一撃必殺感を大事にしたい。もうひとつ、ハイパーとタイガーは、側面技のフライングメイヤーからのコンボで、抱き起こしドラゴンスープレックスという技がある。フライングメイヤー後に相手をフルネルソンで立たせて、そこからドラゴンスープレックスで投げる。フルネルソン後のモーションは背後投げ版と同様である。どちらも首ダメージがあり、技レベルを上げておいて、この技で首ダメージが100%になるようにして決めるとそれっぽい。但し、稲妻と分銅はすぐに付加できるが、大技の扱い故に育成の試合序盤ではまず決まらないので、炎マークを付けるのは結構大変。

つづく

GG2000第35回『フルネルソンスープレックス』

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第35回『ジャイアントグラムの技 その14 フルネルソンスープレックス』
ドラゴンスープレックスに続いてフルネルソンスープレックスを。
このゲームでは、フルネルソンスープレックスと呼称されるものは、全て投げっ放し(表記としては投げ捨て)である。但し、コンボに含まれるものはフルネルソンスープレックスの後にジャーマンで投げるので投げっ放しではないものもあり、故に、フルネルソンスープレックスとだけ呼ぶことにする。

フルネルソンスープレックスはオブライトとハイパー、タイガーのみである。オブライトはそのスタイルから各種スープレックスが主力であり、様々な体勢から投げる。フルネルソンスープレックスは、
・背後↓Xのフルネルソンからのコンボ
・側面フライングメイヤーからのコンボ
・正面↑投げのフライングメイヤーからのコンボ
・仰向けダウン頭側の↓Xからのコンボ
がある。フライングメイヤーからのコンボは、追加コマンド入力で、フライングメイヤー→フルネルソン→フルネルソンスープレックス→ジャーマン→ジャーマンとなる。4段目と5段目のジャーマンは投げ捨てにもホールドにも出来る。首ダメージが連続で入り、フライングメイヤーからのコンボは他にも複数(X、↓X、←→X、↓投げ)あるので、拓を迫ることも出来る。投げ技主体の育成レスラーならこの技を主力にする価値は十分にある。だが、ふたつ問題がある。ひとつは、フライングメイヤーが抜けられやすいこと。これはレベルを上げても殆ど変わらず、そこそこ慣れている相手にはまず決まらない。モーションを見てからでも十分に返されてしまう。もうひとつは、5段目のジャーマンがラーニングし難い点。他の技もそうだが、追加入力で他の技に変化する技は、変化前の技をラーニングしておく必要がある。5段目の投げ捨てジャーマンの前に、ジャーマンスープレックスをラーニングしなければならないのだが、オブライトはほぼ確実に5段目は投げ捨てジャーマンを出す。これはいくらくらってもラーニングできず、先にジャーマンスープレックスをラーニングしなければならない。ここで、お馴染みの裏技『スタートボタン』連打である。3段目のフルネルソンスープレックスが決まったあたりからスタートボタンを連打開始。4段目のジャーマン中に5段目の入力があるので、4段目が出ようと出まいと気にせずに連打をする。理論上は4段目のジャーマンが変化してしまう可能性もあるのだが、とにかく「5段目の投げ捨てジャーマンを投げ捨てにさせない!」という信念を持ってスタートボタンを連打するしかない。ジャーマン系のコンボは相手を持ち上げてから叩きつける直前までが入力受付。イメージとしては持ち上げた一番高い点から落下し始めた辺りで追加コマンドを入れると安定する。
背後版とダウン版は、フルネルソンで絞り上げてから後方に投げ捨てる。投げボタン連打で投げに移行するが、フルネルソンが完全に決まってからの連打では遅く、返されてしまう。相手を抱き起こし始めたらすぐに投げボタンを連打するようにすると安定する。

ハイパーとタイガーは背後Xがフルネルソンである。他のレスラーはスリーパーホールドなのだが、この2名だけはフルネルソン。で、ここから投げボタン連打でフルネルソンスープレックスで後方にブン投げる。尚、このフルネルソンは、フルネルソンスープレックスにしか移行しないので、フルネルソンスープレックスを全て極めたいという御仁には向くが、正直、スリーパーホールドの方が序盤では有効だったりする。

オブライトのフルネルソンスープレックスは、高さやブリッジよりも、威力に比重を置いていた。投げるスピードが速く、且つ、一度掴んだら相手がもがこうが踏ん張ろうがお構い無しに投げてしまう。所謂ローリング式、ロコモーション式も多用しており、連続で相手を投げることも多かった。Uインター参戦時には、キックやサブミッション主体のレスラーを相手にぐいぐいと懐に入り、むんずと掴んでは投げまくっていた。他のリングではあまり考えられないが、当時はスープレックスでKOをしていた試合も多い。全日本参戦時には、そのスープレックスとサブミッションでTOPのメンバーとして実力を発揮。主流とも言えた当時の垂直落下系の投げ技とはまた異なる、危険な投げ技を連発していた。ちなみに、タッグながらフルネルソンスープレックスで三沢から3カウントを奪ったこともある。

オブライトの試合は何度か生で見た。全日本とUインターだった。ちょっとだぶついたお腹周りとひょろっとした手足。ぼさぼさの頭。正直、あんまり強そうには見えなかったのが最初の印象。だが、試合が始まるとそのグランドテクニックは相手を寄せ付けず、投げに入る前の関節や背後の取り合いでも、そのメタボ風の身体からは想像できない上手さとスピードを見せ付ける。それでいて、要所要所では強烈なスープレックスを放つ。フルネルソンやジャーマンも凄いのだが、凄かったのはフロントスープレックス。所謂ベリートゥーベリーというやつで、相手をぐいっと自分の方に引き寄せて組み付くと、捻りながら後方に投げる。この捻り方が非常にヤバイ角度で、頭から落とすわけでも落差があるわけでもないが、受身をとれない角度で相手を投げる。肩口から肩甲骨を辺りを叩きつけるのだが、速さもあってフィニッシュになってもおかしくないくらいのインパクトであった。
ちなみに、当時のオブライトは打撃戦は苦手と言われていたが、ニーリフトは凄い威力で、がぶりの体勢からニーリフトを連打してそのままスープレックスに移行するムーブを見せていた。このゲームでは、これらのコンボが多く、オブライトをベースにしたスープレックスメインの育成レスラーを作るならコンボは要練習である。

つづく

GG2000第36回『延髄斬り』

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第36回『ジャイアントグラムの技 その15 延髄斬り』
アントニオ猪木考案の蹴り技である。よく延髄蹴りと間違われるが、延髄斬りが正しい。相手の背後や側面から、ジャンプしつつ延髄を蹴る。シンプルながら人間の弱点のひとつである延髄をダイレクトに蹴りダメージを与える危険な技でもある。猪木はモハメドアリとの一戦のために開発したというが、アリ側が危険とみなしてクレームをつけ、ルールを変更したという。そのため、猪木は別の手段として所謂アリキックを多用してアリを追い詰めたのである。ボクサー相手にアリキックを卑怯と見る向きもあるのは事実。だが、ルールをかなりボクシングに寄せてくるような注文をつけたのはアリサイドであり、それを受けて立ったのは猪木の懐の深さだろう。この辺の話は、プロレス系の書籍や昭和の異種格闘技名勝負を紹介した本に結構出ており、猪木の考え方やプライド、当時の勝負の駆け引きが感じられて面白い。

アレンジをして使用しているレスラーも多く、使用者によってフォームがかなり異なる。ジャンピングハイキックや、延髄ではなく主に側頭部を蹴る場合もあり、単純に猪木式の一撃必殺技且つピンポイントで延髄を狙うタイプは殆ど見かけなくなった。ジャイアントグラムでは、多くのレスラーが使用する。中でも、特徴的なものをいくつか。
・キラー
元ネタは猪木。キラーのみフォームが異なり、コマンド入力後一瞬タメを作ってからジャンプして決める。ダメージも大きい。
・三沢
追加コマンド入力でキャメルクラッチに移行する。足側から相手の背中の上を前転してから決めるオリジナルのムーブを再現。
・金剛
こちらは追加コマンドで極楽固めに移行。
・馳
追加コマンドでリバースインディアンデスロックへ移行する。ボタン連打でダメージが増加し、更に追加コマンドで鎌固めへ移行する。
尚、キラー以外の延髄斬りは同じモーションを使用しており、キャメルクラッチ、極楽固め、リバースインディアンデスロックは同じコマンドなので、どれかひとつしかラーニングできない。

もうひとつ、独特のモーションの延髄斬りを持つレスラーがいる。田上だ。田上の延髄斬りは正面掴み崩し↓Xで出す。相手の肩を掴んで、側面から回り込むように後頭部を蹴る。これは天龍源一郎もほぼ同じフォームで、育成レスラーとして天龍を作る場合は必須のムーブでもある。

いずれも首への部位ダメージがあり、中盤から終盤でのダメージソースとして十分に使える。しっかりとレベルを上げておけば、勿論フィニッシャーにも良い。

最近は、延髄斬りというよりはハイキックやジャンピングハイキックが、『結果的に』延髄斬りになっている場合が多いようだ。延髄斬りをフィニッシャーにしているといえば、斉藤彰俊だろう。スイクルデスという名前で十分にフィニッシュに使用する説得力がある一撃。フォームはジャンピングハイキックに近いが、回り込むようなダイナミックなフォームで足の甲の部分を「バチーン!」と延髄に当てている。ランニング式もあり。斉藤はノアで秋山とスターネスを結成した頃から目立つようになったが、そもそも空手ベースということもあってか、この技が斉藤のイメージにマッチしている。維震軍時代は特攻隊長のようなポジションだったが、それでも維震軍結成前には小林邦明や小原道由に勝利している。確か、ドンフライがトレーナーとしてつき、総合系にもチャレンジしていたのではなかったか???

つづく





GG2000第37回『ストレッチプラム』

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第37回『ジャイアントグラムの技 その16 ストレッチプラム』
川田のオリジナルホールド。川田はキックベースのハードヒッターで、投げも頭から容赦なく落とす正にデンジャラスな印象があるが、サブミッション系といえばコレだ。座った相手の片足に自分の足を引っ掛けておき、両手で引っ掛けた足とは逆の腕と首を抱えるようにしてホールド。そのまま相手を絞り上げる。左右に身体を捻って、捻じ切るようにグイグイ締め上げる。前歯の無い川田が雄叫びを上げながらこの技で相手を絞り上げる様は、ある種の狂気すら感じる。

ストレッチプラムは川田しか持っておらず、ラーニングするには川田と練習試合を行う。基本的にフォームは同じだがいくつかのバリエーションがある。
・背後↓X
立った状態から首と腕をとりつつしゃがませてストレッチプラムに入る。
・側面フライングメイヤーからのコンボ
フライングメイヤーで投げておいて決める。
・仰向けダウン頭側→↓X
相手の上半身を引き起こしてストレッチプラムへ。
首と腕を決めているが部位ダメージは腰。この技は非常にブレイクされ難く、複数回ダメージが入るので、気が付くと腰ダメージが溜まっている場合がある。自分が受ける際には注意が必要。かける側としては様々な体勢から出せることを生かして、中盤から終盤にしつこく掛けるとそれっぽい。勿論フィニッシャーとしてそのままギブアップを狙っても良いし、腰ダメージを100%にしたらすぐに技を解き、相手のもがきモーション中にフォールしてしまうというのも面白い。

上半身のロックの仕方はドラゴンスリーパーに似ているが、全く別物である。また、冬木がストレッチプラムと同じ技を『冬木スペシャル』として使用していた。これは、「ストレッチプラムとは小指の角度が違うんだよ!」という冬木の名言(?)とともに、プロレスファンには有名な話。まぁ、川田と冬木はフットルースとしてタッグを組んでいたこともありアジアタッグのベルトを腰に巻いていた時期もあるので、意識せずとも意識していたということかもしれない。

川田好き、全日本好き、いやプロレス好きなら知ってて当然なのが、ストレッチプラムという名前の由来。川田自身とは何もつながりの無い名前だが、これは親交のあった松竹梅というお笑いグループの梅村氏が考案し、その名前をとったことに由来する。名前だけ聞いてもよく分からない技も多いが、こういう技名の由来を知ったりすると見方が変わったりするから不思議。

つづく

GG2000第38回『のど輪落とし』

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第38回『ジャイアントグラムの技 その17 のど輪落とし』
田上明の必殺技にして代名詞。大相撲出身で、四天王一の体躯を誇る田上にマッチした技だ。ダイナミックTのニックネームの通り、大きなモーションから繰り出すのど輪落としは豪快そのもの。相手をむんずと掴み高々と持ち上げて、マットに叩きつける。
田上の技は全てが豪快そのもの。技名に『ダイナミック』と付くものも多い。
ジャンピングフロントハイキックである『ダイナミックキック』は、ジャンプしながら相手の顔面を蹴り飛ばす。単発、ハンマースロー、ダッシュ中といつでも出せる。この技はフィニッシャーとなった試合もある。コーナートップから相手めがけてダイナミックキックを放つ『ダイビングダイナミックキック』。こんなの、首折れちゃうよね。大きなモーションから相手を高々と持ち上げてシットダウン式で叩きつける『ダイナミックボム』は、のど輪落としと並ぶ田上の看板技。このゲームのボム系の技で最もダメージが大きい。残念ながらゲーム内では投げ捨てジャーマン表記なのだが『ダイナミックジャーマン』は田上らしい豪快さ。四天王時代はあまり使用しない、または稀にしか使用しなかった技も多数収録されている。
また、長身、赤いタイツ、ガウンでの入場と馬場を髣髴とさせる。実際入団直後は馬場のパートナーであったことから、チョップやランニングネックブリーカー、ココナッツクラッシュなども使用する。一方で、相撲出身らしいテッポウ(つっぱり)やかんぬき、ダウンした相手の顔面を踏みつける、肩を掴んだ独特のモーションの延髄斬り、相手の首をグイグイ押し下げるような拷問コブラツイストなど、独特の攻撃手段も豊富である。

のど輪落としは、田上しか持っていないので、田上からラーニングするしかない。ベイダーはチョークスラムとして同様の技を持っているが、モーションが異なりどちらかといえば投げ捨て式の単発技の印象である。
のど輪落としはバリエーションが多彩。
・のど輪落とし、連続のど輪落とし
正面→←投げで出せ、追加コマンドで叩きつけた後に引き摺り起こしてもう1発放ち、2連続になる。
・大車輪のど輪落とし
相手をコーナートップに座らせておいて自分はサードロープに乗り、相手の喉を掴んで捻りながら叩きつける。
・のど輪でコーナーに叩きつける
コーナーで相手の喉を掴み、そのままターンバックルに叩きつける。ここから追加コマンドで大車輪のど輪落としに繋げることも可能。
尚、こののど輪でコーナーに叩きつけるは、ダイビング技をラーニングする際に非常に重要である。
・顔面叩きつけ式のど輪落とし
背後から相手の延髄を掴んで投げるリバース式ののど輪落とし。効果的にはフェイスクラッシャーに近い。
・断崖のど輪地獄落とし
相手がエプロンにいる時に出せる、所謂断崖技。エプロンからのど輪落としで場外に叩きつける。四天王時代の激闘の歴史に刻まれた技といっても過言ではない。この技はのど輪落としのレベルを上げることで習得する。また、この技は相手の闘気を一気に下げる効果がある。
・カウンターのど輪落とし
対ダイビング技。トップロープから飛んできた相手の喉を掴み、その勢いのままのど輪落としで叩きつける。三沢のダイビングネックブリーカーを切り返し、そのままピンフォールを奪ったこともある技。
・くぐってのど輪落とし
対スイング打撃の返し技。ショートレンジラリアットやローリングチョップなどのスイング打撃を切り返す。これも追加コマンドで2連続になる。
顔面叩きつけ式以外は首への部位ダメージがあり、レベルを上げていくとフィニッシャーにもなるものが殆ど。リバーサルポイントが分かりやすいため慣れた相手には返されやすく、返された場合は不利になることが多い。そのためしっかりとレベルを上げておくこと。また、カウンターやくぐっては相手の出方に左右されるため、レベルを上げていくのには工夫と根気が必要。

バーニング技ものど輪のバリエーションであり、『大回転のど輪落とし』という。連続のど輪落としと大車輪のど輪落としの合成で作れる。大車輪のど輪落としを2連続で決めるものだが、更にコマンド入力をすることで4連発にすることが可能。この追加コマンドの入力はやや難しく、タイミングがシビア。田上が振り向いた直後にコマンドを入力開始、相手を叩きつけた瞬間に入力が完了するようなイメージで入力すると良い。

田上の技は、文字通りどれもダイナミックで豪快。一方でクラシカルな技もいくつか持っており、プロレスらしい魅せ場を作るのにもってこいの技もある。パワーで捻じ伏せるタイプの育成レスラーのアクセントにも良いかもしれない。

このゲームの発売後に、田上はのど輪落としのバリエーションをいくつか開発している。ブレーンバスターで持ち上げておいてのど輪落としで叩きつける『秩父セメント』、アトミックドロップのように肩の上へ持ち上げてからのど輪落としで叩きつける『俺が田上』、相手をロープに押しやってその反動で捻りながらのど輪落としで叩きつける『つくば薪割り』がそう。残念ながら(当たり前だけど)これらは収録されていない。ちなみに、秩父セメントは小橋、俺が田上は三沢、つくば薪割りは森嶋と、それぞれGHCヘビー王座戦用に開発されている。

つづく


GG2000第39回『ダブルアームスープレックス』

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第39回『ジャイアントグラムの技 その18 ダブルアームスープレックス』
最近では滅多に見かけなくなったが、昭和プロレスを象徴するスープレックスのひとつと言っても言い過ぎではあるまい。全日本ではジャンボ鶴田やドリーファンクジュニア、新日本では猪木や藤波がよく見せていた。技の別名でもあり自身のニックネームでもあるビルロビンソンは使い手としてあまりにも有名。

厳密には、ダブルアームスープレックスには2種類ある。ひとつは、所謂ヨーロピアン式で前屈みにした相手の頭部を脇に抱えるようにしておいてリバースフルネルソンに捕らえる。そこから後方へブリッジを効かせて投げる。叩きつけられた衝撃で首や肩にもダメージを与える。ヨーロピアン式はそのままホールドして3カウントを奪うこともあった。また、藤波はこの状態で両腕を絞り上げてギブアップを奪う飛龍風車締めという技をジュニア時代に使用していた。腰を痛めてスープレックス系をあまり使わなくなったと同時に見ることは無くなったオリジナルホールドである。
もうひとつはアメリカ式で、こちらは前屈みの相手の頭部を正面に捕らえて後方に投げる。背中から叩きつけることに比重を置いており、痛め技に近い。ヨーロピアン式よりもダイナミックに投げることが多い。但し、レスラーによってバリエーションがいくつかある。例えば、初代タイガーマスクはダブルアームスープレックスの要領で投げ叩きつける瞬間に身体を捻り体を浴びせるように投げていた。新日本のプロレスゲーム闘魂烈伝ではこの技はダブルアームプランチャと紹介されている。

このゲームには3種類のダブルアームスープレックスがある。
掴みから出せるものはダブルアームスープレックスと投げ捨てダブルアームスープレックスである。使い手は少なく、前者は鶴田とキラーで、崩し←投げのひとつのみ。後者はオブライトで、3種類のポジションから出せる。掴みからのものはコマンドは同じく崩し←投げ。崩し←Xのニーリフトからのコンボ、ダウン攻撃(うつぶせ頭側↓X)のフロントネックロックからのコンボの、合計3種類。モーションは全て同じ。投げ捨て式は大きく相手を投げ飛ばす。レベルを上げるとダメージは大きいが、相手との間合いがかなり開いてしまうのが難点。
もうひとつは雪崩式ダブルアームスープレックスで、三沢のみが持つ。

今では痛め技や繋ぎ技としても殆ど使われないが、小学生の頃夢中になって見ていたプロレス時代は大技のひとつであった。この技で3カウント入っていたし、鶴田やドリーがこの技の体勢に入ると会場がどよめいたものである。

現在の感覚で考えるとクラシカルな技であり、文字通りクラシカルなレスリングをベースとする育成レスラーには非常にマッチする。じっくりとねちっこく攻めておいて、中盤以降で出すと味わいがある技である。勿論フィニッシャーとしても良い。近年のプロレスのように難解で高度なフィニッシャーも良いが、こういう一撃で魅せる或いは湧かせる技というのも、やはり捨て難い。

つづく

GG2000第40回『アックスボンバー』

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第40回『ジャイアントグラムの技 その19 アックスボンバー』
大森のフィニッシャーにして、このゲームで唯一大森のみが持っている技である。言わずと知れたハルクホーガンのオリジナル技であり、ハンセンのラリアットをヒントに開発したことはあまりにも有名。
プロレス歴の浅い人や一般のひとには、ラリアットとの見分けが付かないかもしれないが、決定的に違うのは、『肘の曲げ方』である。ラリアットは腕を水平に近く横に伸ばして相手の首を刈る感じ。アックスボンバーは肘を曲げてL字にし、首を刈るというより顔面から顎にぶち当てていく。恐らく同世代のプロレスファンには、エプロンの猪木にホーガンが放った一撃の衝撃度は忘れられないものだろう。ちなみに、ホーガンはアックスボンバーのイメージだが、これは日本であって、本国でのフィニッシャーは走りこんでのレッグドロップ(ギロチンドロップ))である。また、ホーガンが日本でメジャーになり始めた頃はL字式だったが、徐々にラリアットと変わらない水平式になっていった。

アックスボンバー=ホーガンのイメージがあまりにも強いため、その後使い手はほぼ皆無。オリジナル技を使用することがタブーとなtっていた時代(掟破りという風潮はあったが)ということもあったかもしれない。1990年代末に大森はアックスボンバーを使用しだすと、高山とノーフィアーを結成。秋山のパートナー的な印象を一気に払拭し、一躍名タッグチームの座を獲得し、タッグタイトルも奪取。シングルでも秋山を7秒葬。強豪タッグの犇く全日本マットで大暴れをするようになる。思うに、それまでの大森はダイビングダブルニーやドラゴンスープレックスを使っていたが、イマイチその印象は薄かった。アックスボンバーを使用し始めた頃もインパクトはそれほどでもなかったが、秋山を破ったこと、ノーフィアーとして起動し始めたことなどが相乗効果となって、大森とアックスボンバーの株は上昇した気がする。新しい技がキッカケとなって突然前面に踊り出すレスラーは結構いるが、大森はその傾向が非常に大きい。

大森のアックスボンバーは顔面を狙うというよりも、顎をアッパー風にかち上げる。ドリーファンクジュニア直伝のかち上げ式エルボースマッシュを得意とする大森らしい一発。更に大森は相手へのインパクトの瞬間に足を振り上げてより体重を乗せ、右手で相手の肩の辺りを押さえ込むようにヒットさせていることがある。元々はホーガンのフィニッシャーだが、いまや大森の代名詞と言ってもいいくらいの改良を加え、説得力十分のオリジナルフィニッシャーへと昇華した。
稀にスライディング式も繰り出し、これは丸藤も同様の技を出していた。丸藤もアックスボンバーをカウンターなどで使用しているが、フィニッシャーというほどではなくあまり印象はない。丸藤のスライディング式は、VF5から登場するルチャ系レスラー・ブレイズの技として採用されており、なんとはなしにセガのゲームの因縁を感じる。

このゲームではアックスボンバーは2種類。ハンマースローからのものと、ダッシュ攻撃である。ハンマースローは掴みから引きを繰り返して誘発可能。体力は黄色終盤以降でよく出す。ダッシュ攻撃の方は、かなり間合いが開いていないと出してこないので、コツが必要。ダッシュ攻撃(他のレスラーにも応用可能)誘発する方法はふたつある。
1)対角線ハンマースローを使う
掴んだらコーナーに押し込んで対角線ハンマースローで相手を反対コーナーに振る。この時、対角線ハンマースロー攻撃を入力せず、振るだけにするのがポイント。自分はその場でガードしておく。すると、相手はダッシュしてくるので、ダッシュ攻撃が出るのを待つ。この繰り返し。ダッシュ攻撃はガードしていてもラーニング可能。
2)場外でダッシュ攻撃を誘う
何らかの方法で両者場外に出る(自分から場外には出られないので、相手を落として追いかけるか、相手に場外へ落としてもらう必要あり)。相手との距離を開けて、ダッシュ攻撃を受ける。1)同様、ガードしていてもラーニングは可能。距離のイメージとしては、コーナー間くらい開いていればOK。距離を開ける際、出来れば自分が後退して開けること。コーナーを挟んで、エプロンに沿うようにして下がると良い。鉄柵に振るは返された際に相手がすぐに近づいてきてしまい、リング内も戻されることが多い

ハンマースロー版とダッシュ版を合成するとバーニング技のワイルドエクスプレスを作れる。エルボーから三連発。正面からのアックスボンバー、後頭部へアックスボンバー、更にロープ間を往復して止めのアックスボンバーを炸裂させる。カメラアングルが非常に凝っており、フィニッシュにも好適なバーニング技である。秋山を7秒で倒した試合の再現となっている。

尚、大森はアピールに特殊な効果を持っている。右肘を叩いたアピール後は一定時間アックスボンバーのダメージが上昇。膝のニーパッドをずらすアピール(グラフィックは変化無し)の後はダイビングダブルニードロップのダメージが上昇する。

つづく

GG2000第41回『足4の字固め』

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第41回『ジャイアントグラムの技 その20 足4の字固め』
昔からある足への関節技である。
このゲームの登場レスラーとしては、デストロイヤーとマスター(元ネタが武藤)であろう。デストロイヤーは対ダウンの他に、ニーックラッシャーからのコンボを持っている。バーニング技であるカースオブザ4は、ニークラッシャーと足4の字固めの合成で作り、ニークラッシャー2連発の後に足4の字固めに移行する。膝への部位ダメージが大きい。マスターの方は、ドラゴンスクリューからのコンボが多彩で、これは武藤がUインターとの抗争で高田を仕留めて以降のムーブを再現しているから。

足4の字固めは、スピニングトーホールドの要領で相手の足を取り自分の足に絡める。絡めた相手の足を反対の足の膝辺りに乗せ、乗せた足の足首辺りを自分のもう片方の足でフックする。下になっている方の相手の足先が自分の腹辺りにきているので、上体を起こすことでより強烈に極まる。一度極まってしまうと脱出は困難で、ロープブレイクするしかない。よく「裏返しになるとかけている方が痛い」と言われるが、実際はガッチリ極まっていると裏返しになってもかけられている方が痛いらしい。デストロイヤーは仰向けでグイグイ絞り上げるが、武藤は横向きになって捻りを加える。これはより強力に締め上げるのと同時にカメラ移りを良くしている(と推察)。足4の字固めをフィニッシャーとしていた頃のプロレス雑誌は、武藤が足4の字固めをかけて上体を起こし、片腕を高々と上げている写真はよく載っていたものだ。

この技にはアレンジ版もいくつかある。うつ伏せの相手の足を4の字に決める裏足4の地固めはラッシャー木村が考案。晩年のラッシャーはあんな感じだったが、国際プロレスの頃や全盛期はそれはそれは強かった。サンボや相撲がベースにあり、ヒール的なポジションが多かったが実は多彩且つ的確な技を豊富に持っていたのである。天山も最近はあまり見せないが猛牛足卍という変形の足4の字固め(とアキレス腱固めの複合技のような)を使う。永田と安生はナガタロックとグランドクロス200と技名が違うが、同じモーションの足関節技を使用。片足で相手の両足をフックし、絞り上げる。但し、この技は変形足4の字固めと言われるが、どちらかといえば膝十字固めベースだというのを何かの本で読んだ記憶がある。この技は、クロスブレイクという名前でハイパーとタイガーが使用し、ラーニングが可能。

それまではほぼ使用者(フィニッシャーとして)のいなかった足4の字固めを、「プロレス技の強さ」として再び表舞台に引っ張り出した武藤の功績は大きい。キックの高田相手に、低空ドロップキックやドラゴンスクリューから足4の字固めを仕掛け、『プロレスの関節技』でタップを奪った。地味だけど強烈な足殺し技を、武藤が使うことでその地位を引き上げたとも言えるし、地味だけど武藤が使うと何故か華があるとも言えるだろう。

ゲーム内での足4の字固めは、両膝にダメージを与える。技のレベルを上げて自分がロープ側から掛けると相手はロープブレイクまでに時間がかかり、あっという間に膝に甚大なダメージを与えることが出来る。また、リバーサルとして裏返しになるのだが、更にリバーサルとして裏返す(もとの仰向けの状態)という返し技が出る。この時にもダメージを入る。都合3回(100%に近いと4回)膝へダメージを与えることになり、相手からするとこれはかなり厳しい。足4の字固め自体はリバーサルポイントが分かりやすく、且つ、各コンボ版やダウン攻撃版を連続してかけられないことが多いため、しっかりとレベルを上げておいた上で、他の膝への攻撃と組み合わせると良い。ニークラッシャーや膝へのストンピング、膝十字固めなどで膝ダメージを50%くらいまで上げてから、足4の字固めに持ち込むのがオススメ。但し、相手の膝ダメージが大きくなると、ハンマースローでロープに振っても途中で転んでしまうようになる。フィニッシャーや得意技をハンマースロー系にしている場合は注意が必要。

つづく

春の陣、開幕。

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ウルフマンの勝利。
イコール六鎗客にとっては初の黒星にして、欠員が出たということ。
あの厳しいアリステラ先輩のことだから、腸煮えくり返ってるんだろうね。
六鎗客のメンバーのことをかなり下に見てるし。
ウルフマンを認めたような台詞を吐いたルナイトのことも侮蔑してそう。
こういうリーダーキャラはちょっと苦手。
まぁ、そもそもオメガマンというキャラはあんまり好きじゃないんだけど。

例の王子たちも出てきたし、次の展開が気になりますね。

ということで。
春の陣、開幕。
このタイミングがベターなのかベストなのか、そんなことはどうでも良い。
超人を描きたくなってきたから、描く。
そして、応募する。
もうすでにハガキも、新しいミリペンもスタンバイ完了。
10体ほどは既に降臨しているので、あとは描くだけ。
今回は、3月30日まで。
目標30体。

よし、やるぞ。

「あ、ドラゴンがやるなら、俺もやろっかな」という方、是非に。


来ましたよ。

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ようやく届きました。
ドーン!
名も無きモブ超人。
でも採用は採用だからね。
イメージ 1
本編では名前は無かったけど、『デッドエンド』という名前。
デッドエンドとは、行き止まりという意味。こいつと対峙した輩の人生はもうそこで行き止まり。死あるのみ。
なんつって、本人があっという間に殺られちゃいましたけどね。
しかも六鎗客とは直接激突もしてなくて、サイの超人にブチ抜かれて終了。

で、例によって色は塗らずに応募しているので、このカラーリングはゆでたまご先生のチョイス。
顔色悪し。

うーん、一時は超人応募を引退したけど。
まぁ、お誘いを受けて応募しての結果なので、嬉しい。素直に。

で、もうひとつ。
Tシャツ。
ドーン!
イメージ 2
先シリーズでの存在感が記憶に新しい実力者にして、現シリーズでの立ち位置が気になりまくりのジャスティスマン。
これはかっちょいい!

デッドエンドを応募した後にも何回かに分けて結構送ったんだよな。
今は、春の陣としてチマチマと送り中。

今度はもうちょい強豪ポジションで採用されますように。

GG2000第42回『ジャイアントグラム2.1を作る』

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久しぶりにジャイグラの話を。
育成モードは、技の装備を「くらって覚える」ラーニングというシステム。
くらう以外に、特定の技を合成して作る、特定の技を何度も使いレベルが上がると習得する進化習得、という2種類があり、合計3種類の方法で使える技を増やしていく。
合成では既存の技を作り出すことも可能なので、不要な技を組み合わせればCPUがなかなか出さない技を比較的簡単に装備することも可能。削除する前に色々試してみると良い。
合成でしか作れない技もある。本作の目玉でもあり、育成レスラーの特徴づけに重要なバーニング技は全て合成でしか作ることが出来ない。
当然、合成技を作るのにも、素材となる技の習得は必要であり、よく言えばやり込み要素、悪く言えば面倒なこのシステムを楽しめるかはジャイアントグラム2000というゲーム自体を楽しめるかどうかに直結する。

バーニング技は45種類あり、2種類の技を合成して作る。2種類とはいっても、進化技や、合成して作ったものを必要とするものなど様々。例えば、渾身の爆裂青春バーニングラリアット(小橋)は、オレンジクラッシュとアルゼンチンバックブリーカーの合成技バーニングハンマーと、熱いラリアットの進化技居合い抜きラリアットの合成。王者の魂(馬場)は、トーキックの進化技である16文キックと、その16文キックの進化技の32文ロケット砲の合成である。簡単に作れるものでは1試合でラーニング可能な技同士の合成というものもあり、一部を除きダメージは全て100固定なので、拘らなければ何でも良かったりする。
ただ、やはり手間のかかるシステム故にバーニング技は魅せ技としても拘るべきというのが持論。根気と時間も必要とするからこそ、その手間も楽しみたい。
最も手間のかかるバーニング技は『ジャイアントグラム2.1』だろう。ゲーム名を冠したこの技は、隠しレスラーのタイガーが装備している。ジャイアントグラムという技の延長線上にある。ジャイアントグラムは相手を背後から捕らえ、片手をハーフネルソンのようにロック、反対の手で太ももの辺りを抱えそのまま上空へジャンプ。後方回転しながら落下しプレスする。十字キー1回転コマンドで出すには要練習だが、基本ダメージ99と単発ではトップクラス。実在の技ではなく実現も不可能だが、ゲームだからこその派手なモーションが特徴だ。このジャイアントグラムは、ビルドアップバスターとビルドアップドライバーという2種類の技の合成である。ジャイアントグラムと超滞空ブレーンバスターを合成することで『ジャイアントグラム2.1』になる、本作では最も作り出すのが大変なのである。

今更、ジャイグラで育成レスラーを作って楽しんでいるひとがどれくらいいるのか知らないが、まぁ、どこかの奇特な御仁のために、ステップをまとめておこう。
合成に使用した技は消えてしまうが、ジャイアントグラム2.1、ジャイアントグラム、ビルドアップバスター&ドライバーを全て装備するという前提で説明する。
【合成組合せ】
ビルドアップバスター
→スプラッシュマウンテン(パワーボムの進化技)+旋回式垂直落下ブレーンバスター(ハイパーとタイガーのみ所有)
ビルドアップドライバー
→投げ捨てジャイアントスイング(ジャイアントスイングorスピンの進化技)+パイルドライバー
ジャイアントグラム
→ビルドアップバスター+ビルドアップドライバー
ジャイアントグラム2.1
→ジャイアントグラム+超滞空ブレーンバスター
見て分かるように全て装備するには、バスターとドライバーを都合各3回作る必要がある。最早こんなことをやるのは変態(私)と言っても良い。
では作り方を。
①まず、下記技をラーニング(必須)
・掴み↓Bのパワーボム
・対ダウンのジャイアントスイングかジャイアントスピン
・掴み→Xのストマックパンチ
・旋回式垂直落下ブレーンバスター(ハイパーかタイガーから)
・超滞空ブレーンバスター
②①のパワーボムとジャイアントスイング(ジャイアントスピン)のレベルを各50まで上げる。5回ヒットさせるとレベルが1上がるので、都合250回。根気あるのみ。
相手はマングラーが良い。難易度やさしい/全日モードオフ推奨。
パワーボムは連続してかけられない(返される)ので、無理に連発せず基本的な技4~5個とローテーションでかけると良い。ジャイアントスイングは連続してかけることが可能。但し放り投げた後相手との距離が開いてしまう。効率よく連発するには、相手の頭がコーナーに向くようにダウンさせると良い。ジャイアントスイングは追加入力で回転数が上がるが、これはしなくて良い。2回転すると放り投げ元の位置に相手がダウンする。すぐにコマンドを入力すると連続してかけ続けることが可能。
尚、パワーボムは後で削除するので稲妻マークなどを付ける必要はない。
③レベル50になると、スプラッシュマウンテンと投げ捨てジャイアントスイングを習得する。スプラッシュマウンテンは単発と、掴み→Xのコンボの2つを習得する。
④スプラッシュマウンテン(どちらでもOK)と旋回式垂直落下ブレーンバスターを合成し、ビルドアップバスターを作る。
⑤練習試合を行い、すぐに終了しステータス画面に戻る。スプラッシュマウンテンを再度習得。進化技は元となる技を消さなければ何度でも習得可能。
⑥パワーボムを削除する。この時点でスプラッシュマウンテンが2つ残る。
⑦パイルドライバーを所有しているレスラーと練習試合を行いパイルドライバーをラーニング。
⑧パイルドライバーと投げ捨てジャイアントスイングを合成し、ビルドアップバスターを作る。
⑨バスターとドライバーを合成し、ジャイアントグラムを作る。
➉ジャイアントグラムと超滞空ブレーンバスターを合成。『ジャイアントグラム2.1』が完成。
⑪再度、練習試合を行いパイルドライバー、旋回式ブレーンバスターをラーニングする。タイガーとハイパーは両方持っているので、1試合でラーニングすることも可能(但し、それ以外の技を返せるだけの技量は必要)。
⑫ステータス画面に戻り、バスターとドライバーを作る。投げ捨てジャイアントスイングは元のジャイアントスイングさえ残っていれば何度でも習得可能。
⑬⑫のバスターとドライバーを合成する。『ジャイアントグラム』が完成。
⑭再再度、パイルドライバーと旋回式垂直落下ブレーンバスターをラーニング。
バスター(最後のスプラッシュマウンテンを使用)とドライバーを合成。『ビルドアップバスター』と『ビルドアップドライバー』が完成。

ビルドアップドライバーにパイルドライバーが必要なので、パワーボムを削除する必要がある。先にドライバーを1個作っておいても良いが、ハイパーかタイガーと試合をする頻度が上がるので、先にパワーボムのレベルを上げてスプラッシュマウンテンを作る方が効率は良いだろう。スプラッシュマウンテンは3個必要で、1個目のバスターに使用して消えても、試合からステータス画面に戻ると習得可能。3個目を習得する前にパワーボムを削除しないように注意。

上記ステップで作っていくと、スプラッシュマウンテンは無くなってしまう。ここまできたら、もうひとつのVF系の技であるSSDを習得すると良い。こちらは垂直落下式ブレーンバスターのレベルを50にする。単発技のみでコマンドは単発のスプラッシュマウンテンと同じ。SSDを先に習得すると単発のスプラッシュマウンテンは習得できないが、ストマックパンチからのコンボのスプラッシュマウンテンは習得可能である。
①垂直落下式ブレーンバスターのレベルを50にする
②SSD習得
③パワーボムのレベルを50にする
④ストマックパンチのコンボにスプラッシュマウンテン習得

まぁ、ここまでやってもアーケードが稼動しているわけでもなく、通信対戦ができるわけでもない現代では、完全に自己満足でしかないのだが。

つづく

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